ショートアニメーション千夜千本

短編アニメーション作品を紹介してゆきます。まだ見ぬ作品に触れる機会にして頂ければ幸いです。

大橋史

『文學少女』大橋史【71夜目】

大橋のごく最近の作品も挙げておこう。リリックビデオの隆盛もあり、ここ数年は「文字」アニメートの仕事が目立つ大橋の、その代表作とも言える一本だ。 声とエレキ・ギターだけの静かなイントロに、ふわりと言葉が浮かび上がる冒頭。そして物語は急加速し、…

『kotonoha breakdown』大橋史【70夜目】

アニメーション作家・大橋史ウィークをお届けしております。今日は、彼のクライアント・ワークから一本抜粋する。これ、久々に観返したら、もしかすると当時以上に殴られたような感覚になった。すっごいわこの作品……。 大橋がこの頃トライし始めた、「キャラ…

『こうこう | koukou』大橋史【69夜目】

大橋史(パイセン)のオリジナルでは、いちばん好きな作品。『Your Thorn』で“サウンド”に、『CHANNELER』で“言葉”に挑んだドクター大橋研究室が次に目標としたのは、人間が口から発する“音節”、そして“声”の可視化だった。 大橋の作品は当時の「流行」みた…

『CHANNELER』大橋史【68夜目】

大橋がスゴいのが、これほどクライアント・ワークを手広く手掛けつつも、自身の「オリジナル・ワークです」と言える内容の作品も定期的に欠かさず送り出していることだ。そして毎度、その度に新しい挑戦を作品内に盛り込んでいる。そこがホントーに“ドクター…

『Your Thorn』大橋史【67夜目】

大橋史の出世作となった作品。前作『Notation of Rotating Earth』の幻想的なイメージ、ランドスケープ的アプローチを継承しつつ、過去作品から比較しても、極めて大きなジャンプアップを遂げている内容と言えるだろう。 美しい光の交錯、極めて有機的なシン…

『Notation of Rotating Earth』大橋史【66夜目】

「音楽」の要素を一音一音徹底的に追及する作風を、まるで「研究」するかのように極めてゆく、大橋史の大学の卒業制作にあたる作品。 音楽的要素を記号的なグラフィックで魅せつつ、風景を実写に切り替え、過去作品よりもより静かな内容に仕上がっている。ル…

『FOR』大橋史【65夜目】

大橋史の学生時代の作品まで全部取り上げ始めると、ちょっときりがなくなる(できちゃうけど……)。最初期作『Let’s☆Cookin’ Jam』は完全に具象的なイラストチックのアニメだったが、大橋はすぐに『ascension from the HELL』という作品で、その方向性を切り…

『Let’s☆Cookin’ Jam』大橋史【64夜目】

大橋史は、ぼくの大学の1年先輩にあたる。多摩美術大学情報デザイン学科情報芸術コース(現・メディア芸術コース)の卒業生で、僕とは学科も、コースも、後に入るゼミまで一緒だった*1。大橋パイセンの作品は各学年の審査会でもよく見ているし、進級展で一…