ショートアニメーション千夜千本

短編アニメーション作品を紹介してゆきます。まだ見ぬ作品に触れる機会にして頂ければ幸いです。

『童貞かわいや』宍戸幸次郎【2夜目】

その存在から比べるとイマイチまだフォロワーが少ない気がする宍戸幸次郎(さん)のツイッターで、たまたまこの作品が再公開された旨が告知されていた。久々に観た。いやー、やっぱりすごい。宍戸作品では最初期(最初ではないと思うが)のものだと思うけれど、この強烈な内容。実写では生々しすぎるし、時間軸表現でないとこの間合いは表現できる気がしない。もちろん商業作品にするなら、せいぜいポルノとして企画を押し出すしかないだろう。正に、「自主制作アニメーション」でないと出来ない内容だ。

「おう、俺のお姉ちゃん頭おかしいから、一発ヤラせてもらえよ」的なストーリーか。後年の傑作『nakedyouth』に通じるような、少年たちの目線、見つめる先にあるどうしようもないグラグラ感・緊張感が既にある。ざっくりとした線画のキャラクターと不思議な接続感がある背景も、このころから健在だけれど、とにかく内容が内容なので、映像表現がどうとかはあんまり頭に入ってこない。最後、それを見つめているのが、お姉ちゃんなのがいい。エロアニメみたいなスタートなのに、結果的にその鑑賞者の一種の「思い込み」みたいなものすらを、全て見通したかのような最後のお姉ちゃんのこの眼差し。うーん、やっぱり、やっていることがすごい……。

この動画、YouTubeに削除されませんように。