ショートアニメーション千夜千本

短編アニメーション作品を紹介してゆきます。まだ見ぬ作品に触れる機会にして頂ければ幸いです。

『森のレシオ』村田朋泰【128夜目】


人形アニメーション作家・村田朋泰の、また別のアプローチの作品群についても触れておこう。叙情的で、どこかなつかしい作品を数多く手がける村田だが、本作はそれがちょっと異なっている。真っ白のフェルトや糸で作られた世界に住む少女・レシオと、毛むくじゃらの妖精・ジャモンによるアニメーション・シリーズ。

NHKで放映されていた作品ということもあり、純粋にキュートで、そして謎に満ちた作品になっている。北欧を彷彿とさせる小道具やキラキラした絵作りはとても可愛らしくて、安心して見ることができる作品だろう。誰かに外すことなく薦めるとしたら、この作品かもしれない。

糸を使った舞台設計や、ユーモラスな異形の妖精キャラは、明日から紹介する作品シリーズによってさらに表現として昇華されてゆく。