ショートアニメーション千夜千本

短編アニメーション作品を紹介してゆきます。まだ見ぬ作品に触れる機会にして頂ければ幸いです。

『こわくない。』沼田友【1夜目】

第一本目どうしようかな、と思って、ぐるぐる考えたけれど、思い切って自分の作品にすることにした。こうすれば、このブログがそれほど“お高いもの”を書こうとしてないことにも気づいて頂けるだろう。ま、1000本も書くんだし(ほんとにあるか? そんなに……)、こういうスタートでもいいだろう。基本的に、1本10分くらいで書きます。そうじゃないと終わらない……。こんなの書く暇があれば1本でも物語を書け、というツッコミ、よくわかるけど違うんです! これが息抜きなんです!!

僕が、いまのアニメーション・スタイルにするきっかけになった作品。言葉に重きを置いた脚本、シリアスな題材、(どうがんばっても)ずさんだけどしょうがないか! って思い切れたグラフィック、そしてラストのどんでん返し。「社会問題をテーマに作品を作れ」という、大学三年時の課題制作だった。1週間くらいで作ったことを覚えている。その作業量で、2分45秒しかないこの作品で、ほぼ処女作状態にして賞レースにからんで6つくらい獲った(小さなものだけれど)ことは大きな自信になった。自分のフィルモグラフィー的にも、これか『夏祭り』(『旅街レイトショー』第三夜)かな、というくらい、キャッチーな内容の作品。路上アニメーションでも大変お世話になった(短いし、解りやすいしで、よくお見せする作品だった)。長らく現役選手にしてしまってごめんよ……。

この後の作品と比べると、それほど、これが好きです、と言って頂けることは少ない。入り口にはなるけれど、それほど心には残らないのは、やっぱり最後のショックにしか重きがないからなのだろう。じゃあ心に残る「重き」とは、どこか。その部分を掘り下げて行くことが、物語というものの冒険なのだと思っている。……迷子になってばっかりだ。

重ねて書きますけれど、これは自己満足のための趣味ブログです。