ショートアニメーション千夜千本

短編アニメーション作品を紹介してゆきます。まだ見ぬ作品に触れる機会にして頂ければ幸いです。

折笠良

『Notre chambre われわれの部屋』折笠良【102夜目】

折笠のその制作スタイルは、逆に言えば、コンペに全ての主眼を置いたものでもないし、映画館での興行を目指されたものでもない。エンターテインメントとして仕上がってはいるけれど、最初からそこを狙っているわけでもない(と僕は認識している)。つまり、…

『ことの次第』折笠良【101夜目】

「で、折笠良がすごいのは判ったけど、これってどうお金にコミットするの?」という疑問をもつ方は、少なからずいらっしゃるかもしれない。彼のストイックで孤高なスタイルは、商業の世界と一瞬縁遠いようにも思われる。そんな疑問を、折笠は今年、見事に粉…

『水準原点』折笠良【100夜目】

「この作家を追い続けていれば、いつか、このような作品が観られるのではないか」。そんな奇跡のような予感は、けれど多くの場合、その作品が出来上がったときに“初めて”気が付かされる。本作は、折笠が大学院修了後、仕事をしながらコツコツと彫り続けてい…

『イディオリトミー』折笠良【99夜目】

昨日紹介した『Scripta volant』発表後まもなく、折笠は地元・茨城県のギャラリーで展示を行う。折笠はその期間中に、ある企画を行った。来場者へハガキに自由なイラストを描いてもらい、後ほどそれを集め、アニメーション化するというプロジェクトだった。 …

『Scripta volant』折笠良【98夜目】

(昨日から微妙に続きます)一年がかりでアニメーションを製作して、そして挑んだ僕らの卒業制作展は――会期初日の14時46分で途中中断し、二度と再開されることはなかった。東日本大震災。余震が続く中で撤収作業をした。在庫の山になったカタログやDVDは処分…