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数年前の藝大院の上映に行ったとき、村田朋泰がトークゲストで呼ばれていて、久々にこの『朱の路』を鑑賞した。観終えた後、ああ、やっぱりすごい、と思って、魂ごとスクリーンへ持ってゆかれた記憶がある。やっぱり、本当に、圧倒的だった。ただし一方で、…
切り絵アニメーションの超絶技巧職人、岡本将徳の代表作。このトンガりまくった内容に、当時リアルタイムで鑑賞した「界隈ファン」の衝撃は計り知れなかっただろう。とにかく、すごい。まずは無言で鑑賞してみて欲しい。 音楽一切ナシ。(語弊がある言い方だ…
「この作家を追い続けていれば、いつか、このような作品が観られるのではないか」。そんな奇跡のような予感は、けれど多くの場合、その作品が出来上がったときに“初めて”気が付かされる。本作は、折笠が大学院修了後、仕事をしながらコツコツと彫り続けてい…
(昨日から微妙に続きます)一年がかりでアニメーションを製作して、そして挑んだ僕らの卒業制作展は――会期初日の14時46分で途中中断し、二度と再開されることはなかった。東日本大震災。余震が続く中で撤収作業をした。在庫の山になったカタログやDVDは処分…
突然ですが、新海誠やたつき(irodori)、吉浦康裕に石田祐康までをも輩出した……日本で最も歴史の古いデジタルアニメーションコンテスト「CGアニメコンテスト」で、グランプリを獲る方法を教えよう。それ以前にも同コンテストはロマのフ比嘉などを輩出してい…
アニメーション作家・大橋史ウィークをお届けしております。今日は、彼のクライアント・ワークから一本抜粋する。これ、久々に観返したら、もしかすると当時以上に殴られたような感覚になった。すっごいわこの作品……。 大橋がこの頃トライし始めた、「キャラ…
なぜ、アニメーションでなければならないのか。 小説だったり、絵画だったり、漫画だったり、写真だったり、演劇だったり、音楽だったり、実写だったり*1、沢山の表現媒体がある中で、どうしてそれは、アニメーションでなければならないのか。作り手が時々立…
GIFアニメーションのカルチャーが「WEB系アニメーター」を生み、2ちゃんねるのFLASH・動画板が「PV系」……のちの「MG系」と呼ばれるモーショングラフィックスのカルチャーを育て、After Effectがアマチュアクリエイターにも浸透し、ニコニコ動画がVocaloidを…
あなたがもし「アニメーション」を作りたくなったならば、まずどんな内容のものを思い浮かべる? キャラクターが動きまくるバトルアクション? 瑞々しい高校生たちの引き裂かれるような青春劇? 重厚なストーリーが展開する近未来SF? それとも寝静まった夜…
「これからまだ記事を975本も書くのに、もう青木純か!? 早すぎるんじゃないか!?」的なツッコミ、ようく判ります。でもだめだ! とにかく手をつけないと始まらない……。とっておいてもしょうがない……。 青木純が「自主制作アニメーション」の王道であり、…
一つの強いアイデアが、語り草になる作品がある。井端義秀の『夏と空と僕らの未来』なんて、正にそれだ。 作品が始まると、マンガのコマ割りがあらわれる。その中に登場人物が駆け込んでくる。今で言う「モーションコミック」風の演出……最初だけは。作品の設…
前の記事に続き、ところでブッチャーズといえばもうこれ! これですよね!! という作品。こちらはbloodthirsty butchersの公式MVで、漫画家の長田と映像作家のイシバシがタッグを組んで(どういう分担だったかは判らないけど)作られた名作。何とイシバシの…
日本人の手による「自主制作アニメーション」の、YouTube再生記録ってどの作品だか知ってます? 実は長らく、この作品が日本人トップだと僕は思っていた。現時点でも、何と390万再生。『フミコの告白』が400万再生を突破しこの作品を抜いたのは、実はごく最…
irodoriがユニークだったのは、スタート当初から「バンドです(チームです)」と銘打っていたことだ。ひとりで作ることが一種のステータスだった自主制作アニメーションに、チーム制作での効率化と化学反応を持ち込もうとした。これは伝聞なので間違っていた…
ぼくが、日本学生アニメーション史上最高傑作だと思っている作品。忘れもしない……東京都写真美術館の地下一階、学生CGコンテストの受賞作品展で、狭いシアターの中、隣の人と膝をくっつけあって、この作品と出会った日のことが今も忘れられない。ファースト…