ショートアニメーション千夜千本

短編アニメーション作品を紹介してゆきます。まだ見ぬ作品に触れる機会にして頂ければ幸いです。

『そんな夜』WHOPPERS【112夜目】

今年の新千歳空港国際アニメーション映画祭で、この作品を大きなスクリーンで観られたことは大きな収穫だった。なんかすごく、映画っぽいんですよね。実際、ある種の映画へのリスペクトがとても込められている作品だと思う。全体的にユーモアが海外の、ちょ…

『mindscape』北村みなみ【111夜目】

今回、北村みなみの記事を書くにあたって、北村のVimeoアカウントを掘り下げていたら……一番下のほうにこの作品がアップされていた。おそらく、だいぶ前のものになるのだろう。再生して10秒で「あっ、学生のころの作品だな」と思って、まあいいかとブラウザバ…

『baby baby feat. minan(lyrical school)』北村みなみ【110夜目】

このサムネで「あれ?まだ見たことないかな?」って思ったキミ!今すぐ見よう!これは最高です。 とにかく絵が可愛すぎるアニメーション作家・北村みなみの2016年の作品。brinqのミュージック・ビデオだ。音楽の良さもあるけれど、ここで北村の絵がただキュ…

『恋桜』北村みなみ【109夜目】

最近の僕のイチオシ、北村みなみの作品のひとつ。昨日の『The Great Little Journey』からおよそ一年前? の作品。長尺なこともあるが、ゆったりとストーリーが進んでゆく。おそらくアシスタントなしで、北村一人で最後まで描き上げたものなのだろう。 はぁ……

『SPACE SHOWER TV ID「The Great Little Journey」』北村みなみ【108夜目】

最近の僕のイチオシ作家を紹介したい。ジャン! 北村みなみである。 ね~~~~~も〜〜〜〜〜ギャン可愛である。なにこれ!?!? かわいすぎ!!!! SPACE SHOWER TVのステーションIDとして作られた『The Great Little Journey』には、トキメキが骨髄を溶…

『星宿海』丸山薫【107夜目】

この作品を最初に見たのは、自主制作のアニメーション作家が中心になって企画していたアニメーションイベント「move on web.」の、銀座アップルストアでの上映会でだった。2005年だから、僕は高校二年生かな……この作品を鑑賞して、そのクオリティの高さに心…

『吉野の姫』丸山薫【106夜目】

丸山薫はイラストレーター・漫画家として活動する一方、2005年ごろはFLASHを用いたアニメーション制作にも本腰を入れていた。本作はFLASHアニメーション作家がユナイトしたイベント・JAWACON2005で初号公開されたほか、多数の映画祭でも上映歴を重ねた。 こ…

『海防点景』丸山薫【105夜目】

この作品をここで紹介するか迷ったんだけれど、ほんとに! こういうスタイルの作品ってあったなぁ〜みたいな気持ちになったし、最後にちょこっとアニメーションもあるから、取り上げてしまうことにした。丸山薫のFLASH作品『海防点景』は、イラストと文字、…

『十一月』丸山薫【104夜目】

秀作『二二九』の後も、丸山はFLASHでのアニメーション制作を継続した。一方で丸山は短編漫画にも優れていて、こういう感じの――短いオチのある作品を作らせると、たまらなくうまい。『十一月』は小品だが、そのバカバカしいインパクトも含めて、観る人をとて…

『ニニ九』丸山薫【103夜目】

とびっきり可愛いアニメーションを紹介したい。 日本の一般家庭に「インターネット」が登場したのは1998年ごろ。1999年には人口普及率21.4%、翌2000年には37.1%に達している。ADSL、iモード、2ちゃんねるが登場し、Google、Amazonが日本でサービスを開始させ…

『Notre chambre われわれの部屋』折笠良【102夜目】

折笠のその制作スタイルは、逆に言えば、コンペに全ての主眼を置いたものでもないし、映画館での興行を目指されたものでもない。エンターテインメントとして仕上がってはいるけれど、最初からそこを狙っているわけでもない(と僕は認識している)。つまり、…

『ことの次第』折笠良【101夜目】

「で、折笠良がすごいのは判ったけど、これってどうお金にコミットするの?」という疑問をもつ方は、少なからずいらっしゃるかもしれない。彼のストイックで孤高なスタイルは、商業の世界と一瞬縁遠いようにも思われる。そんな疑問を、折笠は今年、見事に粉…

『水準原点』折笠良【100夜目】

「この作家を追い続けていれば、いつか、このような作品が観られるのではないか」。そんな奇跡のような予感は、けれど多くの場合、その作品が出来上がったときに“初めて”気が付かされる。本作は、折笠が大学院修了後、仕事をしながら家の風呂場で一年間にわ…

『イディオリトミー』折笠良【99夜目】

昨日紹介した『Scripta volant』発表後まもなく、折笠は地元・茨城県のギャラリーで展示を行う。折笠はその期間中に、ある企画を行った。来場者へハガキに自由なイラストを描いてもらい、後ほどそれを集め、アニメーション化するというプロジェクトだった。 …

『Scripta volant』折笠良【98夜目】

(昨日から微妙に続きます)一年がかりでアニメーションを製作して、そして挑んだ僕らの卒業制作展は――会期初日の14時46分で途中中断し、二度と再開されることはなかった。東日本大震災。余震が続く中で撤収作業をした。在庫の山になったカタログやDVDは処分…

『恐竜が死んだ日』倉岡研一【97夜目】

自分の話をします。多摩美の三年次で制作した、「物語に重きをおいたアニメーション」に多少の手ごたえを感じた僕は、次の1年がかりで作る卒業制作に、どうしても――40分間の長編アニメーションがやりたくなった。シナリオは(最終版とはかなり変わったけれ…

『タイムライン』森田仁志・橋本新【96夜目】

唐突ですが! つい最近観た作品をここで紹介する。日本のミュージシャン・クラムボンが今年発表した楽曲「タイムライン」のMVだ。 ふしぎな形の「なにか」が、有機的になったり、無機物になったり、生き物のように見えたり、またそう見えなくなったり……。…

『RUNNINGMAN』児玉徹郎【95夜目】

さて、傑作『MY HOME』を発表した児玉徹郎について触れたい。児玉はいくつかの作品でCGアニメコンテストや、「デジスタ」の黄金期を支えた中心作家のひとりだった。「背景職人」を自称されていたこともあり、作品における背景美術はどれも素晴らしい。しかし…

『MY HOME』児玉徹郎【94夜目】

突然ですが、新海誠やたつき(irodori)、吉浦康裕に石田祐康までをも輩出した……日本で最も歴史の古いデジタルアニメーションコンテスト「CGアニメコンテスト」で、グランプリを獲る方法を教えよう。それ以前にも同コンテストはロマのフ比嘉などを輩出してい…

『公園のトロイ』matsumo【93夜目】

ここ数日取り上げてきたアニメーション作家・matsumoの、現時点で最新シリーズとなるのが『公園のトロイ』だ。FLASHベースだったこれまでの作品から、本作より完全にツールを移行させていて、全編が3DCGで制作されている。 この第三話と第五話、どちらを貼ろ…

『スニャホ』matsumo【92夜目】

生粋のエンターテイナー、matsumoを代表するような作品のひとつ。ここまではFLASHを使った作品が続いていたが、『スニャホ』からは3DCGも取り入れられている。現代モチーフを取り入れながらも極めてベーシックな「敵を倒す」ストーリーで、ものすごくまっと…

『Laika -犬小屋の世界 外伝-』matsumo【91夜目】

昨日の『動物の転校生』にビックリして、仙台から家へ帰ったあと慌ててmatsumo(さん)のサイトを調べたら、発見した作品。小学生~中学生のころ、ネットで見ていたあの『犬小屋の世界』シリーズの、とんでもない外伝作品が発表されていた。 飛ぶ犬小屋、と…

『動物の転校生』matsumo【90夜目】

matsumo(さん)と初めてお会いすることが出来たのは、1999年ごろに「Bak@Fla」で作品がすれ違ってから、実に10年以上後…2013年の宮城・仙台アニメーショングランプリの壇上でだった。僕は『15時30分の拍手喝采』で、matsumoはこの『動物の転校生』で、互い…

『それいけ!おやぢ』matsumo【89夜目】

それにしても*1、matsumoの絵柄は独特だ。たぶん他の作家に紛れていても、この絵ひとつでmatsumo作品だと判るくらいの個性があると思う。彼のこの絵柄のオリジナルがどこにあるのか……とても判りやすい作品を紹介したい。 昨日紹介した『犬小屋の世界』よりも…

『犬小屋の世界』matsumo【88夜目】

僕のもともとの「出身」はFlashだ。1998年か99年ごろ……に、当時日本におけるFLASHの第一人者だったまつむらまきおさん(現 成安造形大学教授)が運営していた作品投稿サイト「Bak@Fla」に参加したことが、アニメーション作家としての最初のきっかけになった…

『Look at Me!』飯田千里【87夜目】

騙されたと思って、フルスクリーンで観て欲しい。スマホ? だめだめ。家で一番大きなモニタテレビを用意して下さい。 藝大院の卒展で、初めてこの作品をスクリーン鑑賞したときの衝撃が凄かった。めちゃくちゃ大画面映えしていたのだ。大きなスクリーンにふ…

『JAM FISH』飯田千里【86夜目】

子どもの頃から、車に乗るのが苦手だった。中は狭いし、移動は長いし、臭いはするし、退屈だし……。愛知方面の田舎に帰るときの、東名高速は特に嫌いだ。渋滞がものすごかった。今でも電車旅が好きなのは、クルマと比べて車内が広くて、降りようと思えばいつ…

『そうじきとおんなのこ』飯田千里【85夜目】

飯田千里は、とびっきりユニークなアニメーション作家だ。 ぶっとい線、記号的かつ親しみやすいイラスト、ビビットな色彩、そしてものすごくシンプルかつ……エンタメ感の高いストーリーテリング! こういう、ごく初期の作品から既に「観ている人を意識して」…

『lilac (bombs Jun Togawa)』ONIONSKIN【84夜目】

結局のところ、ONIONSKINは、作品における「感情」の露出を拒み続けてきたアーティストだったのだと思う。ここ数日観てきたような作品で行われているのは、「表」に出てくる表現技法としての…つまり単にテクノロジーとしてのアニメーション表現の追求。そし…

『煙夜の夢 a,香水壜と少女 b,空虚な肖像画 c,煙夜の夢(夜が固まる前)』ONIONSKIN【83夜目】

鑑賞した当初、度肝を抜かれた作品。 森は生きている(というバンド名です)の17分にわたる組曲にMVをつける、という「ヤメテアゲテヨ!」みたいな依頼内容もさることながら、作り上げてきたのはまさかのワンシーン・ワンカット。しかもスライド板を、素手で…